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霊能者のメッセージ

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除霊実例物語

物事がうまくいかなかったり、体調が悪かったりするのは、霊が取り憑いているせいかもしれません。憑依霊のせいで生活に様々な支障をきたすことを「霊障」と呼びます。霊障のせいで不運続きだった人が除霊をした途端、幸運に見舞われるというケースは少なくありません。ただし、除霊には高い霊能力が必要です。ネットで検索すると「セルフ除霊」「自分でお祓い」などといったものが紹介されていますが、非常に危険ですのでやめてください。十分な霊能力なしに除霊を試みると、憑依霊がおもしろがって、あるいは怒って、ますます貴女にしがみつくでしょう。原因不明の不運や体調不良は霊能者に視てもらい、憑依霊がいる場合は早急に除霊してもらってください。このコーナーでは、実際に除霊が必要なケースと除霊の進行について、実例をもとに紹介していきます。

第三回
女に騙され捨てられた男の悪霊

一年前に大好きだった彼氏に振られて以降、明るく勝気な美人だったはずの利香さんはまるで別人のようになってしまいました。精神的に不安定になり、精神科に通うようになり、そこで処方された精神安定剤や睡眠導入剤をオーバードーズし、果てにはリストカットを繰り返すようになったのです。会社も無断欠勤を繰り返し、首になってしまいました。今ではチャットレディーで細々と食いつなぐ日々。“どうしてこんなことになったのだろう……”利香さんは何度も思い返してみましたが、そのたびに思考に靄のようなものが掛かってうまく考えられません。“何もかも一年前に私を振った彼氏のせいだ”利香さんはそう考え、彼氏と復縁できれば何もかも改善するはず、という思い込みのもと、一年前に利用しようとして止めた電話占い紫魂を、今度こそ利用することに決めたそうです。

これは後日伺った話ですが、利香さんはかつて一度、電話占い紫魂を利用しようとしたことがあったそうです。ちょうど一年前のこと、彼氏に振られた直後にどうしても復縁したかった利香さんは、雑誌の占いコーナーで見た紫魂に電話しようとしたそうなのです。ですが、その時は「こんな占いに頼って、馬鹿みたい」と止めてしまったのです。もしその時に利香さんの電話を受けていたら……。いや、今さら過ぎたことを言っても仕方がないですね。止めましょう。

話を戻します。利香さんからの電話を受けた瞬間、とてつもないマイナスのオーラが流れ込んできました。まさにネガティブな想念の塊とも言うべきもので、私はそれを受け、すぐさま単純な恋愛相談ではないことを悟りました。人は必ず“プラスのオーラ”と“マイナスのオーラ”を持っています。プラスのオーラが高まればポジティブな状態になりますし、マイナスのオーラが高まればネガティブな状態になってしまいます。ですが、生きている人間が発散するオーラの量には限度があるのです。利香さんが電話越しから醸し出すマイナスのオーラは、もはや生きている人間が醸し出せる量をはるかに越えたものでした。私は速やかに“これは悪霊に取り憑かれた症状である”と理解しました。

私はまず自分の置かれた状況を涙ながらに説明しようとする利香さんを留め、「大丈夫です、大丈夫です。まずは落ち着いて下さい」と気を鎮めることに専念しました。そして、利香さん自身の精神状態が比較的落ち着いたのを確認してから、霊視に基づきこちらから説明を開始させていただきました。“利香さんが振られたのが約1年前であること”、“それから精神的におかしくなっていったこと”は、電話を受けた瞬間にすぐ霊視できましたので、それを話すと、大変びっくりされているご様子でした。その後、“利香さんが精神的におかしくなった原因は彼との別れではなく悪霊にあること”、“利香さんは彼に振られてネガティブになっていた心の隙を付け込まれて憑依されてしまっていたこと”を、順を追ってゆっくりと説明しました。利香さんに真実を告げる際中、悪霊の気配がどんどん高まっていくのを感じました。
当初の利香さんの依頼は“彼との復縁”でしたが、利香さんの状況を根本的に解決するためには彼との一時的な復縁は意味をなさないことを説明し、除霊をした方が良いことを告げると、利香さんは納得した様子で「お願いします」とおっしゃいました。そして除霊が始まりました。

利香さんの心を蝕んでいる悪霊の正体は、なんと男の霊でした。「この女は“あいつ”とよく似ている……。恨めしい……。俺と同じように破滅させてやる……」という負の想念が流れ込んできます。霊視を続けた結果、その男の霊はかつて水商売の女に一方的に入れ揚げ、借金を重ねてまで金品を貢ぎ続け、挙句の果てに捨てられ、失意のあまり電車に飛び込んだ霊だったことが判明しました。その自殺の現場は利香さんが会社に勤めていた頃に乗替に使っていた駅。そして利香さんに取り憑いた理由は“かつて自分が入れ揚げた女とよく似ていたから”。何という身勝手な霊なのでしょう。普段、私はできるだけ霊の話に耳を傾け、その苦難を理解することにより自ら成仏を促そうとするのですが、こういった身勝手な霊は一筋縄ではいきません。私はまずこの霊を“除霊”により利香さんの元から強制的に引き剥がすため、呪文を唱え始めました。「利香さんの元から離れなさい!」何度目かの呼びかけに応じ、ようやく男の霊が利香さんの精神から分離していきました。男の霊が持つ恨みの念は相当強いものでしたが、無心に経を唱え続けた結果、なんとか“除霊”が成功したのです。

この時点で私は大量の精神力を消費していましたが、まだ終わりではありませんでした。このままでは、この男の霊はまた別の女性に取り憑き、悪さをしてしまいます。私は“浄霊”の儀式へと移りました。浄霊の経を唱えながら、男の霊に向かって「女性に騙され怒り狂うあなたの気持ちは分からなくもありません。ですが愛とは金品によって手に入れられるものではないのです。関係ない人に取り憑いて鬱憤を晴らすのも間違っています。あなたは生まれ変わって、“人を愛する”というのがどういうことなのか、その答えを見つけ出す必要があるのです」と諭し続けました。私が語り掛けるにつれ霊は次第に大人しくなっていきました。そして、説教を数回繰り返した後、ようやく“浄霊”に応じ、成仏していきました……。

全てが終わったことを利香さんに伝えると、利香さんはプツリと糸が途切れたように泣き出しました。私は嗚咽する利香さんに対し、まだ若いんだからいくらでもやり直せること、失ってしまったものを少しずつ取り戻していけばいいことを優しく告げ、そして最後に、“除霊”と“浄霊”のあとで残った精神力を全て使い、途切れてしまった一年前の彼との縁を、出来る限り修復しておきました。利香さんの当初の願いは“彼との復縁”でしたから、ここはプロとして手を抜くわけにはいきません。利香さんが「本当にありがとうございました」と何度も言い、そうして霊視鑑定が終了した直後、私はすべての力を使い果たし、その場に倒れ込んでしまいました。

後日、利香さんからメールで連絡をいただきました。そこには、“あれほど不安定だった精神がまるで嘘だったかのように快方へ向かったこと”、“再就職先が見つかったこと”が、実に生き生きとした文体で綴られていました。さらに、一年前に別れた彼とひょんなことから再会したことまで書かれていたのです。まだ正式な交際には至っていないとのことですが、既に何度かデートを繰り返されているようで、「復縁は時間の問題かも知れません」とおっしゃっていました。そして最後に、実は一年前に紫魂に電話を掛けようとしていたことが記されており、「どうして先生にもっと早く相談しなかったのか……それだけが心残りでなりません。先生には本当に感謝しています。一生忘れません。ありがとうございました」という言葉で締められていました。

今回の利香さんのケースは、不運に不運が重なった事態、と言えます。そして、かなり遅いタイミングではありましたが、紫魂に鑑定を依頼されたお陰で、なんとかハッピーエンドを迎えられました。これは非常に幸運なケースであると言えるでしょう。失意のどん底に陥った時、人は疑心暗鬼に陥りやすいものですし、霊につけ込まれやすいものです。この体験談を読まれた皆様には、どんな時でも出来る限りポジティブな精神状態をキープすることを忘れないで欲しい、と切に願っております。そして万が一精神に失調をきたしてしまった場合は、必ずしかるべき措置を取って下さい。多くの場合、それは精神科や心療内科への通院となりますが、それでも治癒しない場合、もしかしたら我々霊能者が力になれるかも知れません。

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